入居までの流れ
老人ホームから、入居前に感染症の検査を受けるよう言われた。

まず結論
- 1検査の項目は施設ごと
- 2陽性だけで断る理由にならない
- 3有効期限を先に確かめる
入居前の健康診断では、B型肝炎(HBs抗原)・C型肝炎(HCV抗体)・梅毒の血液検査や、結核を確かめる胸部レントゲンを求められることがあります。施設がご本人の健康状態を知り、入居後のケアや感染対策を準備するためです。厚生労働省のマニュアルは、結核の既往や薬剤耐性菌の保菌などを理由にサービスの提供を拒否することはできないとしており、陽性でも入居の道がなくなるわけではありません。
よく求められる検査と、その理由
| 検査 | 調べること | 施設が知りたい理由 |
|---|---|---|
| HBs抗原 | B型肝炎ウイルスに今感染しているか | 血液や体液を介してうつるため、出血したときの手当てやカミソリ・爪切りの扱いなど、ケアの準備をする |
| HCV抗体 | C型肝炎ウイルスに感染したことがあるか | B型肝炎と同じく血液を介してうつるため。陽性でも、今ウイルスがいるかは別の検査で分かる |
| 梅毒の検査(RPR・TPHAなど) | 梅毒にかかっているか、かかったことがあるか | 治療が必要な状態かどうかを知り、主治医との連携を準備する |
| 胸部レントゲン | 結核などの肺の病気がないか | 結核はせきでうつることがあるため。厚生労働省のマニュアルは、入所時点で結核でないことを医師の健康調査票などで確かめるとしている |
| そのほか | MRSAなどの耐性菌、疥癬(かいせん)、ふだんの病気と薬 | 施設ごとに求める項目が違う。入院中の方は、病院での検査結果で足りることもある |
厚生労働省のマニュアルは、B型・C型肝炎のように血液や体液を介してうつる感染症は、基本的に集団感染に広がる可能性が少ないとしています。また、検査の結果にかかわらず、血液・体液・排せつ物などはすべてうつる可能性があるものとして扱う「標準予防策」を徹底することを基本にしています。
どこで受けるか
- 入院中の方病院の担当医や相談員に、施設の健康診断書の用紙を渡して頼む。入院中に済ませた検査の結果を使えることがある
- 自宅で暮らしている方かかりつけの医師に頼む。レントゲンの設備がない診療所では、別の医療機関を紹介されることがある
- 用紙施設が決まった書式(健康診断書・診療情報提供書)を用意していることがある。先に受け取ってから医師に渡すと、二度手間を防げる
- 費用入居のための健康診断は病気の治療ではないため、健康保険が使えず自費になるのが一般的。金額は医療機関や項目で違うので、頼むときに確かめる
いつまでに受けたものが使えるか
「入居日から数えて何か月以内に受けたもの」という期限は、施設ごとに決めています。入居が延びて期限が切れると、受け直しを求められることがあります。
結果が出るまでに日数がかかる検査もあります。候補の施設が絞れてきたら、検査の項目・用紙・期限の3つを先に施設に聞き、入居の予定日から逆算して受ける日を決めると、無駄な受け直しを防げます。
結果が陽性でも入れるか
| 状況 | マニュアルの考え方 |
|---|---|
| B型・C型肝炎 | 血液を介してうつり、基本的に集団感染に広がる可能性は少ない。標準予防策で対応する |
| 結核 | 排菌がなく、適切な治療が続けられる状態になるまで医療機関で治療する。既往があることだけでは拒否の理由にならない |
| 疥癬 | 原則として、入所前に治療を済ませてもらう |
| MRSAなどの耐性菌の保菌 | 保菌を理由に拒否することはできない |
厚生労働省の「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」は、結核の既往や薬剤耐性菌の保菌などを理由にサービスの提供を拒否することはできない(入院による治療が必要と医師が判断する病状の場合を除く)としています。特別養護老人ホームなどの介護保険施設には「正当な理由なく提供を拒んではならない」という決まりがあり、医学的な理由で受けられない場合は、適切な病院などを紹介するよう求められています。
有料老人ホームやサ高住は、受け入れの条件を施設が決める契約の住まいです。陽性の結果だけで判断するのではなく、今の治療の状況、主治医の意見、施設の看護体制を合わせて判断する施設もあります。陽性の結果が出たら、主治医に「施設で暮らす上で気をつけること」を書いてもらうと、施設が受け入れを考える材料になります。
結果の扱いと、断られたときの相談先
- 結果は医師からご本人に施設に出す前に、医師から結果と意味を説明してもらう
- 使い道を確かめる検査結果は、入居後のケアと感染対策のために使うもの。施設が誰とどう共有するかを聞いてよい
- 断られたら理由を聞く検査の結果が理由なのか、看護体制など別の理由なのかで、次に当たる施設が変わる
- 相談先有料老人ホームの運営は、大阪府または大阪市などの担当課が指導している。納得できない対応は、施設の所在地を担当する府や市の窓口、地域包括支援センターに相談できる
検査の項目や期限は施設ごとに違うため、候補の施設が複数あるときは、まとめて確かめておくと受け直しを防げます。こうした確認は紹介会社にまとめて頼むこともできます。
確かめた公的な資料
- 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版(2019年3月・厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第4条の2・第4条の3(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
- 有料老人ホーム設置運営標準指導指針(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001481758.pdf
ご相談の前にそろえておくと、話が早いもの
- 施設の健康診断書の用紙
- 求められる検査の項目と期限
- お薬手帳と、ふだんの病気の分かるもの
- 過去の検査結果(入院中に受けたものなど)
分からない項目があっても大丈夫です。分かる範囲でお聞かせください。
皇寿にご相談いただくと
皇寿株式会社(大阪市北区)/高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)届出紹介事業者 届出番号 23-0580
最終更新:2026年10月17日 / 編集:皇寿株式会社(大阪市北区・高齢者住まい事業者団体連合会 届出紹介事業者 23-0580)。制度の細かい条件は変わることがあるため、最終的には市区町村・施設などでご確認ください。
よくあるご質問
Q入院中に受けた血液検査やレントゲンは使えますか?
施設が求める項目と期限に合っていれば、使えることがあります。病院の相談員に施設の用紙を渡し、入院中の結果で書いてもらえるか聞いてみてください。
QB型肝炎が陽性だと、老人ホームには入れませんか?
陽性であることだけで入れないとは限りません。厚生労働省のマニュアルは血液を介してうつる感染症を標準予防策で対応するものとしています。受け入れは施設ごとに判断するため、主治医の意見書を添えて相談します。
Q健康診断の費用は誰が払いますか?
入居のための健康診断は、ご本人の負担になるのが一般的です。治療ではないため健康保険が使えないことが多く、金額は医療機関や項目で違います。
Q結核の治療歴があると言われました。入居を断られますか?
マニュアルは、結核の既往を理由に拒否することはできないとしています。今は排菌がなく治療が終わっているか、続けているかを主治医に書いてもらい、施設に伝えてください。
こうした手続きや調整の大変なところは、皇寿がまとめてお引き受けします。
施設探しと空きの確認、病院・ケアマネジャー・施設との段取り、見学の同行、入居までの手続きの準備まで、相談員が一緒に進めます。何から手をつければいいか分からない段階でも、そのままお電話ください。ご家族の費用はかかりません。
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